甦る恐怖・・・氷河ルート敗退・・・。

前回、サミットプッシュに向けては、ここをクリック。



いよいよ決戦の時を迎えた。
12時間以上の長丁場の戦いになるので、しっかり寝ようと思っていたのに、荷揚げ移動を終えてから興奮してほとんど寝ていない・・・。



予定通り、0時前に起き、準備を開始。
周りのテントは誰も起きてこない。



さぁ行くかっ!


気を引き締めヘッドライトのスイッチを入れると、ライトの光が目の前の真っ暗な闇をスパッと切った。


ピッケル、アイゼン、行動食、防寒など最終チェックを行い、氷河ルート取り付きを目指した。


氷点下の澄んだ大気の中で見上げた夜空には想像通り、満天の星が瞬いていて、吹いている風は肌に触れると切れそうなくらい冷たいのに、そんなことすら忘れさせてくれる美しい光景に見入ってしまう。


遠目に薄っすらと氷河が見えるが明かりの乏しい道中では、おれの距離感を狂わせる。


想定通り、約2時間で氷河までたどり着いたけど、風が作り出す氷河の造形ペニテンテが行く手を阻む。
まっすぐ歩けないしすぐに壊れる。


171222 (12)
▲ペニテンテ、形はいろいろあるけどこんなやつです。


いよいよだっ。

最後の難関・・・山頂直下の氷河ルート。



山頂までの標高差1,000mの氷河を直登するポーランド氷河ダイレクトルート



真っ暗な中、ヘッドライトに照らされた氷壁を前にとつぜん悪夢が襲ってきた。



怖くて足が進まない・・・。
引き返そうかな・・・。




苦しいこと、怖いこと、寂しいことを誰にも言えない。


相談もできない。


昨年、カヤンベ山(赤道上最高峰)挑戦中の5,580mでの出来事。
高山病に侵されていたけど強い意志で足を踏み出していた。

でも、その一歩よりも速い速度で死が近づいてくる実感があった。



大自然が牙を剥いたらどんな生物も敵わず、いつでも平等に命を奪われる。



死の世界をとても近くに感じ、恐怖に震えて先に進めず、怖くて怖くて撤退した。



その後、再挑戦し辛うじて登頂を果したけれど、今回はその頂よりも標高が1,000mも高い。
未知の領域を前に恐怖が襲ってくる。


怖いっ・・・


でも、どんなに怖くて辛い挑戦だったとしても、“生死を掛けた真剣勝負をしている!“って、ワクワクしている自分も感じていた。



“おれは生きてる!”ってことを全身で感じて活き活きしていた。


カヤンベにもエルブルースにも登れた!

アコンカグアもやれる!

死ぬつもりで登る奴はいない。
待ち構える困難を乗り越える自信があるから登るんや。




信念さえあれば、不可能はない!


それを証明してやる!





この時、本気でそう思った。


”登頂したら何か変わるかな??”




俺のことを思ってくれるたくさんの応援に後押しされ、

nakama.jpg


170625 (3)



おれは小さな一歩蹴り込んだ。




その一歩は、これから始まる長い長い戦いの幕開けを告げた。

12時間にも及ぶ長い長い戦いの幕開け。


標高5,700mから山頂までダイレクトに突き上げる氷河ルートは本当に氷壁。

標高の低いところでは斜度が約45度くらい。
標高が高くなると斜度が60度くらいになると思う。

写真を撮る余裕がなかったので、数枚(360°カメラ使用)


171228 (2)



何時間経ったんやろ??

上へ上へと確実に登っているけど、大自然のくそデカい氷河の真っ只中に入ると、その大きさに圧倒されて、自分がどこにいるかわからなくなる。


人間って本当にちっぽけで、真っ暗な氷河は自分の感覚とあわなくなって、この数時間全く進んでいないんぢゃないか?って思ってしまう。


でも、その感覚も含めて何か懐かしくて楽しい。



そんなころ、夜が明けてきた。




171228 (1)




171228 (4)
▲この岩を越えるのも厄介。


171228 (3)
▲わかりにくいけど、山頂方向に大きなセラックがあります。


標高が上がると雪質が不安定になり、中途半端なラッセルで進むことに。。。
標高が高いので、このラッセルが体力を奪う。


あそこまで、あそこまで、と進んだものの、標高6,200m地点にあるセラックまで来たところで撤退を決意。
ここまで来るのに9時間・・・。

情けないけど、時間切れ・・・。


氷河ルートの詳しくは←をクリック。


テントまで戻るにも5時間も掛かった・・・
疲れ切った・・・。


さて、どうする??


次回、挑戦第三弾リベンジ アコンカグア達成は、ここをクリック。







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プロフィール

かたやん

Author:かたやん
障がいを理由にあきらめたくない!元バイクレーサーが次に選んだ挑戦!

出身地:兵庫県
趣味:登山、スキューバダイビング、旅行、釣り
仕事:経理事務

19歳の時、バイク事故を起こし、10日間意識不明の重体になりました。
奇跡的に意識は取り戻しましたが、主治医からは「左上半身は二度と動かない、右下半身は完全には曲がらない」と絶望的。

毎日、否定的に生きる私を変えたのは、病院で出会った小学生でした。
その小学生から『現実を受け入れて、最善の方法を選んで今を生きる』ことを教えられ、過酷なリハビリを決意。

度重なる手術と過酷なリハビリ末、奇跡が起き、事故から3年後、障がい者となりながらもバイクレースに復活。
そして、レースに参戦すること7年。
『障がい者でも表彰台に立つ。カラー2ページで特集される』
この2つの夢を叶えて引退。

引退後、仲間と登った槍ヶ岳(日本No.5:3,180m)登頂をきっかけに登山を開始。
事故から21年、腰の骨を左腕に移植するなど手術した回数は29回にもなりました。(2016年現在)

登山は私にとって簡単なスポーツではありません。
しかし、私が限界に挑戦する姿が、壁を越えようとしている人(特に障がいを持っている子供たち)に希望を与えていると知ったから私の挑戦には”意味がある!”そう思って、いろいろなことに挑戦を続けています。

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